「設定」タブの落ち葉拾い
これまで色々と ことせかい の機能や設定について解説してきたわけですが、「設定」タブにはまだ説明されていない設定項目がいくつかあります。この章ではそれらの設定項目のうちのいくつかを紹介しようと思います。
最大連続再生時間
ことせかい は、「Speak」ボタンを押してからここで設定された時間だけ発話した後に終了するようになっています。初期状態では1日位になっていますので、実質的には勝手に再生が停止しない設定として機能します。
なお、読み上げ中にコントロールセンターからページを切り替えたりすると、この時間計測はリセットされますので注意してください。
この値を変える目的としては、例えば夜寝るために布団に入ってから ことせかい で物語を聞きながら眠りにつくというような使い方が考えられます。
本文中の長押しメニューを ことせかい 由来の物のみにする
この設定を ON にすると、小説本文画面で小説本文を長押しした時に出てくるメニューが、ことせかい に関連する物のみになります。
つまり、OFF の時は「コピー、調べる、ユーザ辞書…、共有、読み替え登録、読み替え登録(この小説用)、読み替え後を確認」という形で沢山表示されていたのが、この設定を ON にすると「読み替え登録、読み替え登録(この小説用)、読み替え後を確認」に絞られるようになり、iPhoneなどの横幅の狭い端末では「読み替え登録」を選択するために何回かタップしなければならなかったものを、すぐにタップできるようになるという効果があります。
ページめくり時に音を鳴らす
この設定を ON にすると、読み上げ中などにページ切り替えが発生した時に「紙の本のページをめくった時のような音」が鳴るようになります。
ページが切り替わった事がわかりやすくなる 位の意味のもので、常に ON の設定でも良いのではないかという気もするのですが、昔の ことせかい には無かった機能ですので OFF の方が良い場合もある可能性を否定できず、ON/OFF を選択できるようにしています。
URIを読み上げないようにする
この設定を ON にすると、
https://www.example.com/abc/def/...
といったような文字列を読み上げなくなります。これは単に、小説を読み上げる直前に「そのような文字列から空文字列への読み替え設定を追加して適用する」という動作をする物になっています。
なお、URI は URL の誤字ではなく URI(Uniform Resource Identifier の頭文字)で、URL(Uniform Resource Locator) の上位概念となります。まぁ細かいことになりますけれども。
起動時に前回開いていた小説を開く
この設定を ON にすると、ことせかい を起動した時に前回開いていた小説を自動で開くようになります。
この設定は標準では ON になっています。
そのため、ことせかい を起動した時には前回読んでいた小説を続きからすぐに読み始められます(「Speak」ボタンをすぐにタップできるようになっています)。
この設定が OFF になっている場合、ことせかい 起動直後は本棚画面のままで小説本文画面には移行しませんが、画面下部に「▶︎ 再生: 小説名」というダイアログが表示されます。もし、前回読んでいた小説をそのまま再生したい場合はこのダイアログをタップすることで、小説を開いて再生が開始されますため、この設定を OFF にしたからといって、小説を開き直してから「Speak」ボタンを押さないと再生ができない(つまり2回タップする必要がある)というような事はなく、タップ1回で再生が開始できるようになっています。
携帯電話網ではダウンロードしないようにする
この設定を ON にすると、ことせかい がダウンロードを試みる時には携帯電話網を使えないようにします。
つまり、"ギガ"が減りにくいようにするわけです。
ただし、この設定が効果を発揮するのはあくまで小説本文のダウンロードのみですので、iCloud 同期やWeb取込ページ内のWebブラウザなどには効果はありませんので注意してください。
小説を削除する時に確認する
この設定を ON にすると小説を削除しようとした時に「本当に削除しますか?」というような雰囲気のダイアログが開いて、その上で「削除」を押さないと削除できないようになります。
本棚画面では小説を左向きに少しスワイプすると削除メニューが出て、そのまま左向きにスワイプし続けるとそのまま削除されるのですが、そのような操作をよくしてしまうという場合には ON にしておくと良いかもしれません。
テキスト分割文字列の設定
この設定は、青空文庫の小説を取り込む時や、テキストファイルを取り込む場合など、単純に取り込むと1ページになってしまうような小説を取り込む時に、"なんとなく"ページ分割して取り込むための設定になります。
ことせかい に何らかの小説を取り込もうとした時には一旦「仮読み込み」を行ってから、「この内容で取り込んで良いですか?」といったような内容を確認してから取り込みを決定する、という操作になるのですが、その仮読み込みをした時に、取り込まれようとしている小説が1ページだけで(つまり次のページへのリンク等が見当たらなくて)、その小説の本文中にここで設定された文字列が文章中にあった場合には、「テキトーに分割して取り込む」というボタンが追加されます。
この「テキトーに分割して取り込む」というボタンを押した時には、「テキスト分割文字列の設定」で設定された文字列を使ってページの分割が行われた形で取り込まれます。
自作フォルダを編集する
「本棚画面」での「順番」を「自作フォルダ順」にしている場合に表示されるフォルダについての管理を行う設定になります。新しくフォルダを作成したり、そのフォルダに小説を登録したりする事ができます。
お気に入り順を編集する
こちらの設定は、「本棚画面」での「順番」を「お気に入り順」にしている場合に表示されるお気に入り小説の追加や削除(追加や削除は右上の「編集」ボタンから行います)や、その表示される順番を入れ替えたい場合に用います。
「設定タブ」の「再生が末尾に達した時の動作」が「お気に入りのうち未読の物を再生」になっている場合には、ここで設定した順番で次に読み上げる小説が選ばれるようになります。
内部データ参照用URLの設定
こちらの設定は、通常の利用方法では特に触る必要は無いものになります。
この設定は、ことせかい が実行時に参照している外部情報をユーザ側が指定する別の情報に切り替えて利用できるようにするための物です。
例えば、ことせかい がWeb小説サイト様から小説本文を読み込んだり、次のページを取得したりするために利用しているデータをユーザ自身が用意した物に置き換える事で、独自の本文部分を取り込めるようにしたりすることが可能になったりします。
なお、この設定を用意したことは、将来的に開発者側がこれらのデータベースのメンテナンスを放棄した場合でもなんとかなるようにしておこう、という保険をかけているという意味合いが大きいです。
小説本文画面の右上に表示されるボタン群の編集
こちらの設定は、まぁそのままの意味で、小説本文画面で右上に表示されるボタン群を削除したり追加したり位置を変えたりする事ができるという物になります。
iPad のような横幅が広い端末ならば、沢山のボタンが並んでいても問題は無いのですが、iPhone のような横幅が狭い端末ですと、ボタンをいくつも並べてしまうと場合によっては表示できないボタンが出てきたりしてしまいます。
このため、必要なボタンを選択的に表示できるようにするためにこの設定を活用していただければと思います。
なお、この設定を追加した事により、場所を食うのでボタンとして追加しにくいな、と感じていたボタンを標準では表示しない形で追加するということができるようになりましたので、そのうち何か「そこまで便利でもないボタン」が追加されるかもしれません。
本棚画面の右上に表示されるボタン群の編集
こちらの設定は上記の「小説本文画面の右上に表示されるボタン群の編集」と同じ目的の物になります。
お疲れさまでした。
ここまでで ことせかい の利用方法について、だいたいの物を眺めてこられた事になりそうです。
といっても、読み替え辞書の設定で正規表現を使ったテクニックであるとかいったような、まだまだ書かれていない事がまだまだありそうな気はしますし、今後追加される新機能やお知らせ的な事や ことせかい を開発・運用していて思ったことなどといった使い方とはちょっと違った事について書いても良いかなぁとは思ったのですが、さすがに分量が多くて書くだけでも大変なので一旦はここで解説を終了にしようかと思います。
2021年1月 いいむら
とはいえ、後で追加するかもわかりませんけれども。