読みの修正
ことせかい という名前は、iOS の音声合成エンジンが「異世界」という単語を「ことせかい」と発話した事からきています。
「今作ってるアプリはWeb小説を読み上げる奴なんだけどさ、色々読み間違えるんだよね。例えば『異世界』を『ことせかい』って読むから笑っちゃうんだよ」という感じで説明していたら、その読み間違いの印象が大きすぎて話題を出す時に「そういえば作ってるアプリ、えぇと『ことせかい』のやつ。あれがさぁ……」という感じでその読み間違いネタの方が通りがよくなってしまったのでいっそのことそれを名前にしてしまおう、という事で「ことせかい」という名前になったのでした。
はい。iOS の音声合成エンジンは(少なくとも ことせかい の開発が開始された頃は)あまり多くの単語を知っているわけではなく、よく読み間違いを起こします。特に Web小説 のジャンルによっては普通ではない読み方をする単語などが頻発する場合がありますので、ことせかい には読みかたを修正する機能もつけています。この機能の仕組みは単純なもので、読み間違える文字列を別の文字列に置き換えて読み上げさせるというものです。
例えば、先程の例の「異世界」という単語を音声合成エンジンは「ことせかい」と読み上げてしまいます。これを矯正するために、「異世界」から「イセカイ」への読み替えをさせるように設定するわけです。そうすると、読み上げに使う文字列中の「異世界」という文字列がすべて「イセカイ」に変換されて音声合成エンジンに渡されるようになり、音声合成エンジン側からみると「異世界」という文字が存在しなくなって代わりに「イセカイ」という文字があるのでそのまま「いせかい」と読み上げるようになるわけです。
さて、この読み替えの設定は「設定」タブの「読みの修正」項目で設定することができます。「読みの修正」では標準でそれなりの量の読み替え辞書が登録されています(「異世界」から「いせかい」への読み替えも標準の辞書に登録されていますので、恐らくこの文章を読み上げさせた時には正しく「いせかい」と発話したことと思います)。けれども、恐らくは全然足りないかと思われます。そのため、読み間違いを発見したら自分で読み替えを登録していくと良いかもしれません。
「読みの修正」を追加するには2つの方法があります。
1つ目は「設定タブ」の「読みの修正」の中で右上の「+」ボタンを押して新規の読みの修正を登録する方法、2つ目は小説本文中の読み替えをしたい文字列を長押しで選択した時に出てくる選択項目の中から「読み替え登録」を選択して読みの修正を登録する方法です。
(2つ目の方法は読み上げを行っているその時に「この発話はおかしいな、読み替え辞書に登録してやろう」と思ったその時に行える事や、読み替え元の文字列をいちいち入力しなくても良いという利点がありますので便利に使って頂ければと思います)
また、読みの修正を登録する時には、最下部にあります「保存する」ボタンを押すのを忘れないでください。これを押さずに戻ってしまうと読みの修正は登録されません。
なお、読みの修正を沢山登録している場合に、どの読みの修正が適用されるかわからない場合があると思います。そのような場合には、小説の本文画面で読み替えがどうなっているかを確認したい部分を範囲選択した時に出てくるメニューの中の「読み替え後を確認」をタップすることで実際に読み替えが行われた後の文字列を確認することができます。「読み替え後を確認」で表示される文字列がそのまま iOS の音声合成エンジンに渡されて読み上げが行われますため、不思議な読み替えが起こってしまっている場合にも、ことせかい の側の読み替え設定で不思議な読み替えが発生しているのか、それとも iOS の音声合成エンジン側で不思議な読み上げになってしまっているのかを切り分ける時にも利用できるかと思います。
他に、「設定」タブの「読みの修正」の右上にあります虫眼鏡のアイコンを押して検索することで、読み替えの原因になっていそうな読み替え設定をあぶり出す事ができるかもしれません。この検索ボタンでは、読み替え前と読み替え後のどちらについても検索する形になりますので、上記の「読み替え後を確認」で意図していない読み替えになっている箇所の元の文字列かよみかえられてしまった問題の文字列を入力するなどで、問題になっている読み替え設定をあぶり出すなどをして頂けますと良いかもしれません。